仕事をする上での問題の代表的な原因はコミュニケーションがうまくできていないことと言われます。
コミュニケーションを改善するには、コミュニケーションを円滑にする習慣をつけ、その上で業務上、何を伝える必要があるのかをきちんと把握してコミュニケーションをとることが重要です。この記事では、円滑なコミュニケーションとコミュニケーションで伝えるべきことを明らかにします。
色々な場面で発生しているコミュニケーション問題
良好なコミュニケーションは色々な場面でとても大切です。仕事をする上でのコミュニケーション問題は多く指摘されています。代表的なコミュニケーション問題に対する統計結果は以下のとおりです。
社員間のコミュニケーション不足は業務の障害になると思う(約95%)
コミュニケーション不足の障害内容上位3項目:
1位:迅速な情報共有、2位:部門間の連携、3位:業務中の相談・質問
どの関係のコミュニケーションに課題を感じるか
1位:部門間、2位:部門内メンバー同士、3位:経営者と社員
出典:HR総研:社内コミュニケーションに関するアンケート2021 結果報告
このように、一般的にも、コミュニケーション問題は、色々な問題で、いろいろな関係で発生しています。人と人とが協力し合う組織では、発生しやすい問題と考えても良いかもしれません。
また、事業を成功させるための管理手法体系であるプロジェクトマネジメントでも、課題としてコミュニケーションが挙げられています。
よくあるプロジェクトマネジメントの課題
・課題設定の曖昧さ
・スケジュール管理の困難さ
・工数管理
・リソース最適化
○コミュニケーション不足
・リスクマネジメント不足
そして、課題に対する解決方法として挙げられているのは以下の項目です。
・明確な目標と基準の設定
・課題管理表などのツール活用
○コミュニケーション施策の実行
出典:DXナビ プロジェクト管理の課題とは?よくある課題と解決方法についての解説
このように、コミュニケーション力は、最も社員に求められるスキルの一つであることは間違いありません。もちろん、本ブログのテーマである品質管理でも、コミュニケーションはとても大切です。
ここでは、どうすればコミュニケーションが上手くなるのか、考えてみたいと思います。
相手にコミュニケーションをしたいと思ってもらう「心がけ」
コミュニケーション問題を解決する、つまり円滑なコミュニケーションのために必要なことは、コミュニケーションが好きになることです。普段から相手に気持ちよく話をしてもらうことができれば、コミュニケーションで発生する細かい問題もその場で修正し合うことができます。具体的には以下の5つを実践してみると、相手が、あなたと話をしたいと思うようになっていき、お互いの問題や提案を本音で話すことができるようになると思います。
出典:Youtube コミュニケーション能力の高い人が“無意識”にやっていること5選|しあわせ心理学
1.ときどき相手の名前を呼んで話をする。
(例)「太郎さん、おはよう」同期、後輩となら、下の名前で呼び合うと、円滑
「鈴木さん、いま、少し相談しても良いですか?」先輩、上司
2.ちょっとした質問をして興味を示す。
(例)「そうなんですね、たいへんだったですね」
「それは嬉しかったですね」
「へえ、それは珍しい出来事でしたね」
3.相手のペースに合わせる。
(例)相手がリラックスしていたら、こちらもリラックス
相手が早口だったら、こちらも早めの喋り方
4.相手の話をよく聞いて、ときどき言葉を繰り返す。(素直にオウム返し)
相手の話したことを、好感をもってつぶやいたり、理解していることを表現し、共感していることを示したりすると、話し手も話をしたことが理解してもらえている手応えを感じて、さらに深く話をしてくれることもあります。話し手の言葉を集中して捉えることができるようになり、傾聴力の向上にも繋がります。
単なるオウム返しに違和感があれば、同義語に変えて返してみると、こちらの理解も深くなります。
5.笑顔とうなづき
話し手も笑顔を向けられて好感を持たれているほうが話しやすいし、うなづいて同意してもらえると気持ちよく話を続けることができ、円滑なコミュニケーションにつながります。
(例)「うんうん」「そうだね」「ああ、そうなんだ」
聞くことが上手になっていき、まわりの人が、あなたと話をすると気持ちいいなあと思ってもらえたら、いずれ、あなたが伝えたいことも好意的によく聞いてもらえる下地となります。
日頃から、相手の話をよく聞き、相手があなたと話をしたいと思ってもらうことができれば、円滑なコミュニケーションも可能になっていきます。そのような習慣はあなたにとってプラスになるでしょう。
コミュニケーションの勉強をして自信をつける
もしあなたが、話をするのが苦手だなと思っていたら、一度、コミュニケーション検定にチャレンジしてみるのもよいと思います。勉強してみるとあたりまえのように思えることばかり書いてありますが、必ずしも自分ができているとは限らないと気がつくことも多くあると思います。コミュニケーション検定テキストに書いてある基本的な、注意したいことを書いてみます。
コミュニケーションの目的を意識する
コミュニケーションを取る時には、目的があります。その目的を確認しておきましょう。目的があれば、何を達成したら良いかを明確にできます。
【目的1】相手との友好関係を生み出す。
ゴール:お互いを理解し、好感を持ち合う。
挨拶から始めて、状況を聞きあう。短時間で少し楽しい気持ちになれば良いですね。
(例)こんにちは、◯◯さん、元気?なにかいいことありましたか?
→返答時には、オオム返しを使い、うなづき、共感して、「私も同じようなことがあった」、「いつかそうしてみたい」、「今度教えてください」など。
【目的2】情報を発信する。連絡
ゴール:伝えるべきことがあり、正確に情報を伝える。
要件を簡単に口頭で伝え、詳細をメールする。メールだけではなく、簡単に口頭を連絡するのがおすすめです。
(例)来週火曜11時から避難訓練があります。詳細はメールしますね。
【目的3】情報を発信する。報告
ゴール:仕事を依頼された仕事に対して、その結果がどうだったのかを伝える。
主に上司から頼まれた仕事に対して、何を実施して、その結果どうだったのかを伝える。報告書を提出するのが基本となります。報告書をメールなどで送付して、口頭で簡単に確認をお願いする。
【目的4】相談
ゴール:仕事の仕方など、どうすれば良いか、意見を聞く。
以下のことを意識すると良いでしょう。
【When】相談相手を観察して、忙しくなさそうなタイミングで
【Where】場所を選ぶ(人に聞かれたくないことなのかどうかなど)
【Why】目的を明確にする(あなたは何をしたいのか、何に困っているのか)
【What】会社での多くの相談は、仕事のアドバイスが欲しいのだと思います。何の仕事についての相談なのか、明確にしましょう。
【How】相手がどの程度状況を理解しているかを考えて、どこから話すか。あなたの状況、あなたはどういう立場でその仕事に関わっているのか、あなたの予備知識がどうなのかを説明しましょう。
もちろん、相手の言っていることがわからなかったり、疑問が生じたら、放置せずに、できるだけ早く質問してください。そして、アドバイスに同意したとしても、同意しなかったとしても、相談に乗ってくれたことにお礼を言ってください。
【目的5】相手に何かをやってもらう。依頼
ゴール:仕事をしてもらう。
誰かに仕事を頼む時、情報を整理して、上司に相談してから頼みましょう。頼む仕事の大きさによっては、上司から依頼をすることになるかもしれません。
・何の仕事を頼むのか。
・相手はその仕事をする役割なのか。(その仕事を頼むための定型の依頼書はあるのか。)
(例1)〇〇製品不具合の再発防止報告書を依頼する際の原因の分析調査依頼を分析部門に頼みます。
〇〇製品不具合で顧客苦情を受けました。原因を調査したいので、故障部品の観察をお願いします。依頼書を提出します。
(例2)〇〇製品不具合で、製造不良の問題だと判断します。分析結果を説明しますので、製造不良の原因と対策をお願いします。
(列3)〇〇製品不具合で、使い方を調査しました。この使い方をすると、どのようなエラーが発生するのですが、設計部門の立場で原因調査をお願いします。
(例4)請負業務を依頼している協力会社の仕事で、業務手順書に記載されていない異常が発生した時の処置方法を問合せする連絡先が明確になっていませんでした。請負業務の依頼元として、不明点を問合するための連絡方法の手順を作成してください。これが明確になっていれば、請負業務の失敗が半減して、関係者の満足度が向上します。
誰かに仕事をしてもらう時は、その仕事を達成した時のメリットも伝えることによって、相手のモチベーション向上につながります。そのような効果がえるのかも整理してしましょう。
【目的6】相手に迷惑をかけてしまった時の謝罪
相手に迷惑をかけてしまったとわかった時には、なるべく早く、対面で、お詫びしましょう。相手は怒っているかもしれません。そのような時も、名前を呼ぶ、時々質問する、オウム返しのコミュニケーションを円滑にする方法は有効です。しかし、もちろん相手のペースに合わせて怒り口調になったり、笑顔を向けたりしてはいけません。なるべく相手の言葉をしっかり聞いて、相手の状況を理解しましょう。
相手は、なぜ問題が起きたかを聞いてきます。また、同じような問題が起きないようにしてほしいと思っています。できれば、問題発生の原因について、どのように考えているのか、不明な場合は分析する方法を説明できるようにしておくことが重要です。事実を明確に説明することに注力します。あなたの意見は求められた時に答えましょう。
製品の不具合であれば回収して代品を届けるなどし、また同じ問題を繰り返してしまわないように、原因をなくすような再発防止策を伝えましょう。
訪問してコミュニケーションを取る目的は、相手の困った状況を理解し、謝罪することによって申し訳なかったことを伝え、今後同じ問題が起きないようにすることを伝えることです。まずは、相手の状況をきちんと理解するようすることを目的にしましょう。
不具合原因を明確にする方法については、こちらをご参照ください。
相談する時
こちらが急ぎではない相談したい場合は、以下のことを意識すると良いでしょう。
【When】相談相手を観察して、忙しくなさそうなタイミングで
【Where】場所を選ぶ(人に聞かれたくないことなのかどうかなど)
【Why】目的を明確にする(あなたは何をしたいのか、何に困っているのか)
【What】会社での多くの相談は、仕事のアドバイスが欲しいのだと思います。何の仕事についての相談なのか、明確にしましょう。
【How】相手がどの程度状況を理解しているかを考えて、どこから話すか。あなたの状況、あなたはどういう立場でその仕事に関わっているのか、あなたの予備知識がどうなのかを説明しましょう。
もちろん、相手の言っていることがわからなかったり、疑問が生じたら、放置せずに、できるだけ早く質問してください。そして、アドバイスに同意したとしても、同意しなかったとしても、相談に乗ってくれたことにお礼を言ってください。
コミュニケーションの問題(まとめ)
コミュニケーションの問題は、いろいろな場面で発生しています。
コミュニケーション問題を防ぐには、日頃からコミュニケーションを円滑にする方法(相手の名前を呼ぶ、興味を示す、相手のペースに合わせる、オウム返し、笑顔とうなづき)をして、あなたとのコミュニケーションに対して好印象を与えっておきましょう。
そして、あなたが話し手になる場合は、コミュニケーションは目的を意識して行い、目的を達成することを心がけましょう。
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